ユニクロwebCMに起用され話題となった4人組バンド、sumika。
メンバーの片岡健太(Vo./G.)さん、小川貴之(Key./Cho.)さんのおふたりに、先日リリースされたE.P『SALLY e.p』についてchスタッフがお聞きしました。
interview
sumika
さまざまな意味が込められるタイトルは
懐かしのTVアニメからきていた!
―昨年12月にリリースされた『SALLY e.p』について教えてください。
片岡 1曲目の『MAGIC』には、ホーン隊に僕たちが尊敬するバンドの在日ファンクの方々に入っていただいたり、いろいろなアーティストさんのライブでベースを弾かれているベーシストの山口寛雄さんなどたくさんの方々に参加していただきました。ゲストメンバーの方々は僕たちよりも先輩で経験値もすごくあるので、僕たちも100パーセントではなく120パーセントの力を出して負けないように背伸びをしたことも良いポイントになったと思います。
小川 レコーディングがツアーファイナルの翌日にあったので、スケジュールが少しきつかったなと思うのですが、レコーディングの行程はとても楽しくできました。
―E.Pのタイトルにはどんな意味が込められていますか?
片岡 全曲通しての作品のイメージが「魔法」というテーマで、魔法使いといえば誰だろうと考えた時に、昔のTVアニメ「魔法使いサリー」という女の子が浮かびました。曲が全て揃ってから作品のタイトルを考えるのですが、僕が持つアイディアノートに書いてある言葉の中で一番イメージに合うものはサリーだと思い「SALLY」に決まりました。「SALLY」の意味を調べると女性の名前の他に、「小旅行」や「遠足に行く」という意味や、「出撃する」、「反撃する」という意味もあって、僕たちは作品を持ってツアーに行きますし、昨年休業していた経緯があり、復帰をして「これから攻めていくぞ!」という気持ちがあるので、そういうことを加味していくと一番しっくりくるタイトルになっています。
―初回限定盤に収録されているTHE YELLOW MONKEYの『TACTICS』をカバーするうえで意識したことはなんですか?
小川 まず曲に対するリスペクトを絶対になくしてはいけない。メンバー全員イエモンが好きだったので、原曲にしっかりと誠意を持ちながらもsumikaの色を残しつつ壊していくとことがカバーするうえでのお約束なのかなと思っています。イエモンが持つ大人の艶の部分を活かして、どのように僕たち色にしていこうかと考えながら一つ一つやっていきました。
―2月から行われるツアーの意気込みをお願いします!
小川 これまでは東名阪の3ヵ所だけでしたが、今回、sumikaとしては初の仙台と福岡が追加されて5都市になりました。最高のおもてなしをみんなで作ることが目標なので、楽しみはたくさんありますね。
片岡 今までのツアーで訪れたところの最北が東京だったので(笑)、だいぶ北海道に近づけたなと思います。なので仙台の公演を成功させて、次の北海道ワンマンに繋がるようにしたいです。
高校3年間はとにかく楽しむこと
ベストアンサーは自分で見つけてほしい
―バンド名の由来を教えてください。
片岡 僕は建築物が好きで、設計図とか間取り図を見るのが趣味なんです。「世界中で好きものが一番集まっている場所はどこだろう」と考えた時に、デパートやAmazonも好きなものがたくさんありますが、実は “自分の部屋” なんじゃないかと思ったんです。自分の部屋って好きなものだけを持ち帰って作り上げた空間だから、世界で一番居心地の良い場所になることに気づきました。そういった空間をみんなで共有していけたらいいなという気持ち込めて、バンド名は「sumika」に決まりました。
―歌詞はいつもどんなふうに作っていますか?
片岡 1年間でドラマチックなことが起こる日はあまりないですよね。そうやって自分が体験していないことを書くよりも、人からいろいろなリアルな話を聞いて、それを自分なりにフィルターにかけて書き出すことが一番しっくりきているやり方です。自分で無理にフィクションを生み出すことはなくて、いろんな人との話をフィルターにかけてノンフィクションを書くことが自分の中でルールになっています。
―ご自身の体験談を元にした曲はありますか?
片岡 最近の曲だと『MAGIC』です。僕は昔ピザ屋でバイトをしていたのですが、クリスマスや年末でにぎわう12月は繁忙期だったのであまり良い思い出がないです(笑)。なので、周りはにぎやかで自分はひとりぼっちだとしてもネガティブにならないような曲を作りたいという思いから『MAGIC』が生まれました。ピザ屋で働いていた時の自分に対して作った曲でもありますし、家族や恋人と一緒に過ごしている人も幸せにできるような曲になったと思います。
―他のバンドに「ここだけは負けない!」ということはありますか?
片岡 楽しんでやっていることですね。sumikaのライブって演奏している自分たちでは見れないので、周りの方からライブが終わった後に意見をいただくのですが、「幸せな気持ちになれる」と言っていただけました。幸せな気持ちになれるようなメロディーや歌詞を目指しているわけではなくて、自分たちがやりたいように楽しくやっているので、sumikaの素の音楽を聴いて幸せを感じていただけたのは嬉しかったです。
―sumikaさんはユニクロとコラボされていますよね。
小川 ユニクロさんの商品「ふんわりルームウェア」のWEBムービーを撮影していただきました。台本はなくて、演奏シーンはいつもライブで楽しんでやっているところを撮っていただいたので、僕たちの自然体の表情を注目してほしいです。
片岡 今回のユニクロさんとのコラボレーションを経て、僕たちのほうからみなさんの生活に近づけた大きな一歩になったと思います。
―自分たちの楽曲で一番好きな曲と、その理由を教えてください。
片岡 昨年僕は休業をしていたのですが、復帰して最初にリリースした『Lovers』に思い入れがあります。昨年は小川くんが新メンバーとして加入し、休業の期間を経て新メンバー感が良い意味でなくなったんですよね。『Lovers』のリリースでsumikaというバンドはメンバーが4人であることを世間に掲示できた1曲だと思いますし、メンバー以外にもMVに参加していただいたエキストラの方々や、僕たちを支えてくれるスタッフチームと一緒に作り上げた作品という気がしています。
小川 一番聴くのは『ソーダ』で、一番好きなのは『まいった』です。片岡さんの書く歌詞が好きで、どういうことを思って書いてるんだろうと歌詞カードを見ながら曲を聴いています。歌詞に感動して、気づいたら車を運転しながら泣いていたことがありました(笑)。片岡さんが復帰してから最初に作った曲が『まいった』で、「片岡さんはいつも良い曲作るな」と再確認できた曲なのでとても大事です。
―高校生にオススメにしたい曲はなんですか?
片岡 僕は『MAGIC』かな。スピーカーではなくイヤホンやヘッドホンで聴いてもらうと「トランペットやサックスとかたくさんの音が入ってるんだな」と気づけると思います。
小川 『「伝言歌」』は高校生の時に聴いておきたかったです。勇気づけられる、背中を押してくれる曲ですよ。
―高校生に向けてメッセージをお願いします!
小川 高校生の時はあまり気づきませんでしたが、高校の3年間に起きたことや出会った人は将来大事な存在になっていきます。今は楽しめることをとことん楽しんでやってみてほしいです。
片岡 僕も今、sumikaと一緒に仕事をしてくれている人たちをたどっていくと、高校時代の出会いに繋がります。高校時代に出会った人の知り合いがさらに知り合いということが多くて、卒業した高校に行っていなかったら今の人生を歩んでいなかったと思います。この時期は受験のことや未来のことで不安になる人が多いと思いますが、僕の時代は今ほど悩まなくて済んだというか、インターネットはあったけど頻繁に何かを調べることはしていませんでした。今はネットで簡単に気になっていることや悩みごとを質問できるけど、誰かに答えを求めるのではなく、ちゃんと自分の中で考えてベストアンサーを見つけることが重要だと思います!

sumika
スミカ
’13年結成。片岡健太(Vo&Gt) 、荒井智之(Dr&Cho)、 小川貴之(Key&Cho)、 黒田隼之介(Gt&Cho)からなる4人組バンド。ライブは毎回ゲストメンバーを入れて開催され、さまざまな芸術家と共に作品を制作する。’17年2月に行うバンド最大規模のワンマンツアー『sumika「SALLY e.p」Release ワンマン Tour』は全公演SOLD OUT!
http://sumika.info/
SALLY e.p
¥1,490(tax in)
取材を終えて

てぃもか
高3

ちゃんちい
高3
ch FILESでは、取材に参加してくれる高校生「chスタッフ」を募集しています。
