“氷上のF1” ボブスレーで2年後の冬季オリンピックを目指す2選手に高校生インタビュー

ボブスレー 高校生

リオ五輪開催の熱も覚めやらぬ中ですが、 2年後の冬季オリンピックをより楽しむために、ちょっとマイナーな競技も知っておきたい!

というわけで、ボブスレー強化選手の伊藤隆太選手 、浅野晃佑選手にch高校生スタッフがお話を伺いました!
 

インタビュー

ボブスレー強化選手

ボブスレーは“氷上のF1”
個々の技術とソリの性能が
勝敗を決める

 
▶︎ ボブスレーがどんな競技なのか教えてください!

浅野 4人乗り、2人乗り、1人乗りのソリがあって、オリンピック競技になっているのは4人乗りと2人乗り。スタート地点で、4人乗りだと200kg以上あるソリを全員で押して加速を付けて順番に乗り込み、ゴールするまで一切ブレーキはかけず、時速120~150kmほどでコースを滑り降りていきます。各チームそのタイムを競う競技です。

▶︎ なぜボブスレーを始めたのですか?

伊藤 僕はずっと小さい頃からオリンピックを夢見て陸上のハードルをしていたのですが、陸上では到底オリンピックに出ることはできなくて。それで、どうしてもオリンピックに出たくて、自分の力を活かせるスポーツを探して、ボブスレーのトライアウトを受けました。

浅野 僕もずっと陸上の十種競技をしていたのですが、大学生の時にボブスレー選手としてスカウトを受けて始めました。初めてボブスレーを知ったのは、小学生の頃に観た『クール・ランニング』という映画でした。雪も見たことのないジャマイカの選手たちがボブスレーでオリンピックに出るという実話を基にしたコメディです。
 

日本では脚光を浴びないボブスレー
でも実は海外では一番人気の競技

 
▶︎ 海外では有名な競技なのですか?

浅野 特にヨーロッパではとても人気ですね。オリンピックでも最終日に行われるように、海外だとボブスレーは一番テレビでも視聴率が取れるらしいです。残念ながら日本ではほとんど放映されないのですが(笑)

伊藤 海外だとコースも身近にあって、例えばスイスのサンモリッツでは、ホテルが林立する街の中にコースがあって、ビルの上から試合が見れたり、車で走りながら隣で滑っているのを見ることができます。日本にあるコースは長野のみ。それもかなり山奥で、なかなか皆さんの目に触れることはないんですよね。

▶︎ 初心者の僕たちが、ボブスレーの面白さを知る一番の方法って何でしょうか?

伊藤 ソリは最高で時速150kmほど出ますので、試合を実際に見てもらえば、一番迫力があって面白いと思います。12月20日前後に長野で全日本選手権が行われます。あとはYouTubeの「Bobsleigh and Skelton TV」でも試合の様子が出ています。ボブスレーは“氷上のF1”と言われていて、パイロットの技術やソリの技術などが勝敗に大きく関わってきます。ソリの整備も選手自らが行っているので、その辺りをYouTubeで上げている選手もいます。あとは、各国のコースによってカーブの具合が違って、カナダのバンクーバーのようにクラッシュ(コースの途中でソリが転倒すること)しやすいコースなどもあり、クラッシュ場面を集めたYouTube動画も面白いかもしれません(YouTubeで「bobsleigh crash」を検索)。選手としては転倒したらキツいんですけど(笑)

浅野 ボブスレーは1滑りがだいたい1分前後で、1チーム毎にタイムを競うので、一緒に滑って競り合うという場面はありません。ただ、ソリの技術は各国それぞれ開発されていて、その辺りは本当にF1と似ています。アメリカ、ドイツはBMW、イタリアはフェラーリ、イギリスはマクラーレンも開発に関わっていて、他国のチームのソリに近付いただけで怒られるくらい、その技術は機密事項。今、日本チームはドイツから買ったソリを使っています。

▶︎ かなり高そうですね(笑)

浅野 高いものだと1000万円ほどします(笑)。日本にも大田区に「下町ボブスレー」という国産ソリを作っている町工場がありますよ。

▶︎ 高校生にメッセージをお願いします!

伊藤 今日本ではボブスレーの知名度が低いため、なかなかスポンサーが付かず、選手のほとんどがアルバイトをしながら体を鍛えているのが現状です。僕も週4日は8時間ほどアルバイトをして、残りの時間でトレーニングしています。本当はボブスレーだけに集中したいのですが、予算がなく、遠征費なども自分で稼がないといけないのが辛いところです。でも皆、どうしてもオリンピックに出たい! という想いで続けています。高校生の皆さんに少しでもボブスレーに興味を持っていただけると嬉しいです。2年後の冬季オリンピックに出場できるように頑張りますので応援お願いします!

海外ではボブスレーはとても人気で主流な競技。スイスのサンモリッツでは、ホテルが立ち並ぶ街中にボブスレーのコースがある。

海外ではボブスレーはとても人気で主流な競技。スイスのサンモリッツでは、ホテルが立ち並ぶ街中にボブスレーのコースがある。

ソリは選手たちの手で丁寧に整備される。ソリの裏に付いたランナー(歯)は、1時間ほどかけて何種類ものヤスリでピカピカに磨く。

ソリは選手たちの手で丁寧に整備される。ソリの裏に付いたランナー(歯)は、1時間ほどかけて何種類ものヤスリでピカピカに磨く。

 

ボブスレー

伊藤隆太 Ryuta Ito
写真左から2番目:’89年、東京都出身。27歳。帝京大学卒業後、陸上(ハードル)を続ける。’13年、ソチオリンピックのトライアウトを受け、本格的にボブスレー選手としての活動を開始。’14年よりナショナルチームに所属。

浅野晃佑 Kosuke Asano
写真左から3番目:’90年、愛媛県出身。26歳。陸上(十種競技)をしていた日本大学在学中にスカウトを受け、ボブスレーの選手発掘テストに合格。ナショナルチームに所属し、活動を開始。

日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟

 

取材を終えて…

ch STAFFF
関東
こぼり 高3
お二人からお話を聞いて、思っていた以上に華があって楽しそうなスポーツだなと思いました。ジェットコースター系が苦手なので挑戦するのは無理そうですが、間近で観戦してみたいです。モータースポーツが好きなので、ボブスレーの動画も迫力があって面白かったです。
ch STAFFF
関東
おがた 高3
僕の学校に全日本のコーチと伊藤選手・浅野選手が講演に来てくれて、スポンサーが付かなくて選手たちはアルバイトをしながら競技の練習を積まないといけないという現状を聞きました。少しでも高校生たちにこの現状を知ってもらって、ボブスレーに興味を持ってもらいたいと思ってchでも取材させていただきました!

 
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