人は生きているんだっていうことを撮りたい 『セトウツミ』大森監督に高校生がインタビュー

セトウツミ

池松壮亮×菅田将暉ダブル主演!!

メガネをかけたクールな塾通いの内海を演じるのは池松壮亮。

元サッカー部でお調子者の瀬戸に菅田将暉。

ありふれた毎日こそが、いとおしい。

ほぼ「会話」だけのコミックを実写映画化した大森立嗣監督に、ch高校生スタッフがインタビュー。

監督から高校生のみなさんへ、肯定的に元気に生きていくためのメッセージをいただきました。

ch STAFF かぁら 高3/大森立嗣監督/ch STAFF ゆうちゃん 高3

ch STAFF かぁら 高3/大森立嗣監督/ch STAFF ゆうちゃん 高3

セトウツミ

大森立嗣 監督

高校時代は表現することを
照れていた“瀬戸系”男子

 
▶ 大森監督はどのような高校生でしたか?

俺は部活に入らず、帰宅部でね。夢とかもあんまり考えてなくて、本当、自分が何をやればいいか全然わかってなかったね。

▶ 瀬戸と内海みたいな感じで?

割と瀬戸系だったけど(笑)。文化祭とかも参加したくない、みたいな感じかな。

▶ それはなぜだったのですか?

親父が芸能の人(舞踏家で「大駱駝艦」の創始者である麿赤兒氏)なんですよ。で、ちょっと家がぐちゃぐちゃだったから、親と同じ表現をやるのは嫌だったんだ。

▶ では、いつから今のお仕事をしたいって思われたんですか。

東京の大学に進学して、自宅からでも通えたけど、ひとり暮らしを始めたんだ。それで、少し自分の両親のことを客観視できるようになって、精神的に落ち着いたのかもしれないね。

▶ 監督の考え方も変わったのですか?

いや、実は高校の時もギターとか上手いヤツをみて「あー、カッコいいな」って思っていたんだけど、俺自身が照れて表現することをしたくないって思っていたんだね。
 

映画には力があるから、そこから
逃げないで、ちゃんと向き合ってほしい

 
▶ 『セトウツミ』はほぼ主役のふたりの会話でストーリーが進みます。菅田さんと池松さんの演技はどのように思われていましたか。

演技の上手さは知っていたし、今、一番魅力的なふたりだなって思ってたから、全然心配はなかった。最初はぎこちないところもあったんだけど、お互い腹の探り合いでやっていくうちに、すごく良くなっていったね。
 


 

▶ 試写を観せていただき、高校生のありがちな言動に大いに笑いました。監督は主演のおふたりに漫才の掛け合いではなく、ガチで芝居をしてほしいと求められたそうですね。

映画で撮ってるのってある一瞬。大切なのは、それ以外の時間があるってこと。その時間があって今こういう会話をしているんだっていうことや、空気感とか、景色とか、空とか、風とか、そういうもの全てをふたりには感じてほしかったんだよね、お尻が痛いとか(笑)。“決められた形”ということが嫌で。お芝居って、ちゃんとふたりが会話をすることによって作られる間だったり、掛け合いだったり、呼吸をするってことなんだ。

▶ 本作品を観る高校生にどのようなことを感じてほしいですか。

映画には力がある。映画館で観ると、ものすごい顔のアップがあったりして、すごい圧力、力があるから、そこから逃げないでほしい。ちゃんと向き合ってほしいね。もしかしたら映画を観ることですごく傷付くかも知れない。そう、俺は映画を作る時、人のこと傷付けたいとか思ってるんだ。

▶ その“傷付く”というのは、いい意味でも悪い意味でも、何かが付けばっていうことですか?

そうそう、何かが付けばいいんだよ。そうすることでその人の人生が豊かになればいい。人のこと考えられたりとか、自分のことを考えられたりするきっかけになればいい。
 

生命力みたいなもの、人は生きて
いるんだっていうことを撮りたいんだよ

 

▶ 最後に、夢をめざす高校生にメッセージをください。

基本的に夢は叶わないから。いや、なんか俺ね、スポーツ選手とかが夢は叶うとか言ってるのを見て、「夢は叶わなくたっていいんだよ」って言いたい。夢とか、社会が、なんかこう生きていく高校生のみんなに圧迫感を与えて息苦しくさせてしまっている気がするんだ。そうではなくて、もっと自由に生きればいい。呼吸して、何かを感じて、そこにいるっていうことがすごく大事で、自分が感じること、何を思うかっていうのが一番大事。最後は、自分の心が一番わかっているってこと、自分が心で思っていることが正しいんだ。俺はそれが撮りたい。生命力みたいなもの、人は生きているんだっていうことを撮りたいんだよ。だから『セトウツミ』でいうと、池松くんが笑ってなかったら、池松くんの笑顔が見たくなっちゃうんだ、俺は。

 

セトウツミ

  • 監督:大森立嗣
  • 原作:「 セトウツミ」此元和津也(秋田書店「別冊少年チャンピオン」連載)
  • 出演:池松壮亮、菅田将暉、中条あやみ、他

STORY
男子高校生、瀬戸と内海が並べば「セトウツミ」。いつもの河原で暇つぶし。特別な事件は何も起きないけど、取るに足らないことで盛り上がれる勢いも、バカバカしい楽しみも、どうしようもない退屈も、どこかで感じている絶望も、いつかは失われゆく美しさも、あの河原にはすべてがある―。

7.2(土)公開

映画オフィシャルサイト

©此元和津也(別冊少年チャンピオン)2013
©2016映画「セトウツミ」製作委員会

 

取材を終えて…

ch STAFF
関西
かぁら 高3
とても個性的な監督で、監督あっての『セトウツミ』という感じを受けました。1本の映画をとっても100人いれば100通りの見方がある中でたくさんの人に笑顔や幸せ届けられる作品を創る監督は本当にすごいと思いました。
ch STAFF
関西
ゆうちゃん
高3
大森監督が今まで生きてこられたエピソードが良い意味で心にグサってきました。そして“夢は叶わないんだよ”って言葉が印象的でした。映画には力があって傷つけるかもしれないけど、そこから逃げないで向き合ってほしいとおっしゃっていたので、みなさんも映画『セトウツミ』を是非映画館で観て何か感じてほしいです。高校生に本当に響くメッセージが詰まっています。

 
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セトウツミ