スタイリッシュな電動義手の実用化を目指すイクシー近藤社長に高校生がインタビュー

従来の義手の概念を真っ向から切り崩し、SF映画さながらのスタイリッシュな電動義手“handiii(ハンディー)”の開発を進めるイクシー株式会社の近藤社長にch高校生スタッフがインタビュー!

※この記事はch FILES 2015年11月号(10/20発行)に掲載したものです。内容や数字は掲載当時のままです。

社長に会いたい 第7回

イクシー株式会社
代表取締役CEO 近藤 玄大さん

Q1. どんな会社なのですか?

電動義手の研究をしています。

50年以上前から製品化はされているけれど、これまでは一つが最低でも150万円、物によっては1千万円ほどして、実際に日本で使っている人は2%だけ。義手に関する情報も行き届いていませんでした。

僕たちは3Dプリンターを使って材料費3万円ほどで作れるようにして、一般の人たちにも興味を持ってもらえるようにSFやアニメに出てきそうなデザインにしました。

まだ実用化には至っていませんが、手のない人が自分の体に合わせて自在にカスタマイズして使える時代にするため、1年後の実用化を目指して動いています。

また研究の最新データは、オープンソースとして世界に公開しています。

Q2. 具体的な研究内容はいつごろ決めたんですか?

もともとは大学時代に3年間、義手の研究に携わっていました。僕自身高校時代にずっとバスケットボールをやっていて、手の動きにとても興味があったので、その好奇心から始めたのがきっかけです。

当時はデザインは肌の色に似せたもので、ピアノが弾ける義手を目指していました。ただ、それを実現するのは難しい。

実際に手のない方と話をしていくと、皆さん「自信を持って外を歩きたい」「日常生活でボタンが留められるようになりたい」と仰る。僕はそれを安く作りたいと考えましたが、当時はまだどうしたら良いのかわかりませんでした。

具体的に見えてきたのは、数年経って3Dプリンターが普及してきてからです。

Q3. 起業に至ったきっかけは?

大学卒業後、ソニーに就職して3年間働いている時に、趣味で電動義手の作品をコンテストに出したんです。大学時代の研究室の先輩と、彼の会社の同僚のデザイナーと3人で。そこで賞をとることができたのがきっかけです。

だんだん大きな話になってきたので、それなら自分たちの責任でやってみようか、と会社を立ち上げました。しばらくは3人とも貯金を切り崩しながら。あとはクラウドファンディングというシステムも利用しました。

高校時代には、まさか自分が起業するなんて、考えてもいなかったですね。

Q4. 今、頭の中に描いている会社の未来は?

手をなくした人を救いたいのはもちろんですが、周りの人の価値観も変えたいんです。

先日アメリカの音楽イベントに出展した際、事故で腕をなくされた関西の森川さんという方も一緒に行ったら、大人も子供もみんな寄って来て、興味深く触ったり、握手をしたり、森川さん英語全然話せないんだけど、すごい人気者になっちゃった(笑)。

3Dプリンターが普及して、義手が手頃な価格で手に入るようになったら、保険がなくても買えるし、故障しても自宅で部品を作って取り替えることができる。好みでカラーを替えたり、僕らがメガネや時計、靴を場面によって使い分けるように、ファッションとしての義手が当たり前の時代を作りたいですね。

今はまだ流通の法律面で国や自治体の人と話を詰めないといけなかったり、残されている課題はありますが、近い将来、一般に広められるようにと考えています。
 

近藤社長にお聞きした
社長になるために必要な3つのこと

  • がまんはしない

    みんな真剣に取り組むからこそ、ぶつかり合うことも度々。でも言いたいことは言ってやりたいことはやった方が良い。

  • 謙虚であること

    何をするにしても一人でできることはないから、チームメイトは大事。彼らの支えがあって、仕事は成り立っている。

  • 楽観的であること

    楽しいことをしていると人も集まってくる。辛い時には、どうしたら楽しめるか、見る方向を変えて考えるようにしている。

 
イクシー株式会社 代表取締役 CEO 近藤 玄大さん

近藤 玄大 Genta Kondo
’86年生まれ。28歳。ソフトウェアエンジニア。’11年、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。ソニー株式会社に就職。同社退社後、’ 14年10月、山浦博志氏、小西哲哉氏らとイクシー株式会社を設立。「日本機械学会三浦賞」「JamesDysonAward2013国際2位」「GUGEN2013大賞」「2015グッドデザイン・ベスト100」受賞。

イクシー株式会社 
 
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取材を終えて

ch STAFF たかこ 高3
義手をオモチャのように考えていて、多くの人に知ってもらいたいという社長の想いが伝わってきました!
ch STAFF ゆり 高3
とても夢のある会社。いつか家庭で義手が作れるように、という社長の夢は本当に近い将来叶いそうです!

 
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