渋谷のビル屋上看板を貼り替える会社の社長は高所恐怖症? 高校生が社長にインタビュー

屋外広告の看板の貼り替え作業を行う専門会社の社長にch高校生スタッフがインタビュー!

仕事に対する姿勢や仕事の裏側を聞きました。

※この記事はch FILES 2015年7月号(6/20発行)に掲載したものです。内容や年数、学年などは掲載当時のままです。

社長に会いたい 第3回

株式会社エーディーエス
代表取締役社長 大竹宏さん

常に危険と隣り合わせ
丁寧さとスピードが求められる仕事

 
駅の周りを見渡せば、多くの屋外広告が目に入る。ビルの壁面に貼られたポスターから、屋上にそびえ立つ大きな看板まで様々だ。当然、このポスターを貼り替える仕事があるわけで、大竹社長は東京を中心に、それらを専門とする会社の社長だ。

上の写真で大竹社長が指さす先にある看板。渋谷のスクランブル交差点のど真ん中にそびえ立つ地上数十メートルありそうなこの看板を貼り替える作業は、合計6名でチームを組んで看板の上からハシゴを掛け、ハシゴを降りながら、いくつものブロックに分かれた糊付きのポスターを順番に貼り合わせていく。

また、JR渋谷駅のハチ公口壁面に貼られた横長の巨大看板は、日中の作業ができないため、終電が終わった夜中1時半頃から、次の始発が始まる前の3時頃までにすべての作業を完了させる必要がある。高所作業車を入れられる場所や条件の場合は作業車に乗っての作業ができるが、それができない場合はハシゴでの作業となる。常に危険と隣り合わせでありながら、作業の丁寧さとスピードも求められる、集中力が不可欠な仕事だ。

街を歩けば、ビルのあちこちに大竹社長の会社が施工を手掛けた看板が見られる。

街を歩けば、ビルのあちこちに大竹社長の会社が施工を手掛けた看板が見られる。

そんな大竹社長が起業に至ったのは20代の時。16歳から入ったこの世界で3つの会社を経験し、3つ目の会社の親方に納得がいかず、25歳で独立。その後以前お世話になった親方に教わりながら27歳で法人化させた。しかし独立した頃は周りからの批判も多く、偉そうだと叩かれたり、仕事を回してもらえないこともあったという。
 

決して“ふざける”のではない
仕事を遊びとして“真剣に”楽しむ

 
大竹社長が高いところが好きでこの仕事に向いているのかと言えば、決してそうではない。

「ビルの上から下を見ると、人が豆粒のように見える。ある程度は慣れますが、恐い気持ちは今でもあります。僕はジェットコースターも乗れないくらいだから(笑)。ただ、その“恐い”という気持ちがなくなってしまえば、作業中に気が緩んでミスが生まれる。僕らのハシゴは1本15段なのですが、“魔の16段目”と言っていて、もう1段あると思って足を出してしまうんです」

しかし社長の仕事に対するスタンスは力強く、前向きだ。

「仕事は楽しんだ方が良い。僕の場合だったら、貼る作業を終えて地上から見上げると、1枚の絵が完成していて、それが達成感になる。遊びってみんな真剣になれるでしょ。だから仕事も楽しくなる何かを見つけて遊べば良いんです。ただ、ふざけたらダメ」

最後に、新入社員を採る時の基準を聞くと「元気のある子。良い意味でバカな子」と即答で返って来た。物事を理屈で考える子より、素直で吸収が早いからだそうだ。
 
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大竹社長にお聞きした
社長になるために必要な3つのこと

  • 責任力

    一度自分で「やる」と決めたことはやり遂げる。様々な場面で判断が求められる立場なので、トップが揺らぐと周りは付いて来てくれない。

  • 見抜く力

    今、どこの業者が勢いがあるのかなど、情勢を常に見定めていく必要がある。とはいえ、受けた仕事は断らない、のが身上。

  • “なんとかなる”と思える力

    会社には波があり、良い時期があれば悪い時期もある。決していい
    加減な気持ちではなく、また良くなる、と思える気持ちが大事。

 
株式会社エーディーエス 代表取締役社長 大竹宏さん

大竹 宏
’76年、東京都生まれ。16歳から屋外広告物施工の世界に入り、3社を経た後、25歳で独立。’03年、27歳で有限会社エーディーエスを設立。その後株式会社に移行させ、現在に至る。

 
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